
【 木村万里: ひと言 】
夢を与える空間「夢空間」も次元を超えた大きいネーミングだけど、どうせやるならなにかしらの渦を巻き起こしたい、と壮大な野望を胸に秘め、21世紀に立ち現れたその名も渦産業。渦が産業になるもんかしらねえ、相反する価値観の両立めざして、なんじゃらほい。「渦産業」でネット検索したら、うちしかなかったわよ。ふふ。志は高く、経費は安く、主催者/企画者/出演者/会場/お客さん、が三位一体ならぬ五位一体となって幸せになるように。一緒にハッピーにならないと、企画は続かない。Win,win,win,win,winの5winでいかないとね。

月曜日 開演19:00 東京芸術劇場・小ホール2(「池袋駅」西口駅前)
で、この秋の渦産業企画「バキューン、ふわふわ」は擬音語が表すごとく、 バキューンな笑福亭福笑さんとふわふわな瀧川鯉昇さんの二人落語会。
近年、関西では天満天神繁盛亭ができたおかげ、関東では大銀座落語祭のおかげで、福笑落語に触れる機会も多くなり、こんなおもろい人がおったんかと目を見開かれた方も多いことでしょう。
古典がもつ調子を手中に入れ、その伝でつくられた新作落語に登場する人物はみんなハチャメチャ。
半面、文明論とも言うべきマクラでは、登場人物を奔放に操る
強面の顔に、繊細な着物ファッション、呉服屋の若旦那にはならない落語家の色合わせはすこぶる美しい。
かつて福笑独演会を企画した落語王さんのチラシに「めくるめく話芸の醍醐味」というコピーがあったけれど、まさに。
東京では、エグいネタが続く昨今、「福笑さんの古典が聞きたい!汚くないやつ!」とお願いして決まった「代書屋」「釣り道入門」で、めくるめく世界へごあんなーい。
瀧川鯉昇さんは、地上3センチの楽園を聞かせてくれる落語の名手。
ふわっと浮かんだ鯉昇ワールドにさしはさまれる「間」は、うろたえ、どぎまぎ、をお客の頭の中に植え付け、次の言葉を待つ快感にいざなってくれます。
油断してると、あの唇からとんでもないギャグが飛び出して、意外な一面を発見したり。
「その時期なら『二番煎じ』でも」と、あまり聴く機会のない風流な演題が決まりました。
さあてあと1席は---?
熱を過剰に放射する福笑師と、過小でありながら静かに過激な鯉昇師と、二人の個性があざなわれ、秋の至福な一夜が訪れます。ああ、楽しみ。

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